砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
うーんと、まだ読書する気になれないので過去に読んだ本の紹介じゃ。
桜庭一樹の「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」
タイトルが特徴的なのもそうだけど、桜庭さんの小説はとにかく個性があって、他の本では味わえないミステリアス感がとっても爽快で楽しいです。そして読んだ後にずっしりとくる切なさが堪らなく刺激になる。「読んで良かった」と思うのはまさにその時です。
ストーリーの中に巧妙に世の中の矛盾や卑屈を織り交ぜてくる文才は、読み手としてはやられた……というか、(心を)突かれた……!って気持ちになります。時々、シェイクスピアの本を読んでいる気分になるのは、彼女が彼の作品を好んでいるのもあるかとw
とにかくすごい!それしか言えない!!
この本に出会ったのは中学一年生のとき。
地元のよむよむで見つけ、印象的な表紙に奇妙なタイトルにドキドキさせられたのを覚えている。がしかし、その時には買わなかったんですよね。そしてそのまま巡り合うこともなく日々は過ぎていった。
そして中学三年生の時、たまたま朗月堂でこの本を見つけ、「これは運命だ……!」と迷うことなくレジに直行しました(笑)
読んだ後の感想は、とにかく「悲しい」。
世界ってこんなにも残酷で、空虚なものなのかと 胸を痛めた。
その時はまだ私も全くの子供意識をもった人間であったし、主人公とその”友達”に親近感を覚えていたから、この話がリアルに感じたのもあると思う。
「こんなの、全部嘘なんだ」
っていった藻屑の言葉が、私は忘れられない。
何度も何度も、丁寧に読み返している本だけれど、この言葉に差し掛かるといつも心臓を動かすのが辛く感じる。きっと、私も似たようなことを考えたことがあったからかもしれない。
藻屑も、主人公も、そして誰もが、幸せになる権利を持っているし、そうされていると世間では言われている。でも、実際はどうなのだろうか?それよりも、幸せってなんなのだろうか?
そういうことを考えさせられる。
そして私は何か大切なことを学び、同時に深い悲しみに襲われる。
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet
- 作者: 桜庭一樹
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2007/03
- メディア: 単行本
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